【辞めると決めたら】退職までの6つのステップと注意点

1:余計なことに時間をかけず、転職サポートサービスを徹底的に活用する

一般的な転職アドバイスでは、最初に「自己分析して、アピールできるスキルや経験の棚卸しをしましょう」、「転職活動全体のスケジュールを決めましょう」、「希望業界や職種の求人情報を収集しましょう」などと促してくるところですが、往々にしてそれらは単なる時間のムダ。なぜなら、現実的には以下のようなことがほとんどだからです。

「自己分析して棚卸し」

⇒自分だけではなかなか自身の強みやスキルに気づきにくく、第三者の視点から客観的に分析してもらったほうが効率的だから

「スケジュール決め」

⇒あらかじめスケジュールを決めたところで、実際はなかなかその通りに進むことがなく、また魅力的な求人にはすぐに応募が集まり、短期間で終了してしまうスピード勝負だから

「求人情報収集」

⇒そもそも自分の興味ある分野くらいしかよく分からず、それ以外は「ピンとこない」もの。また興味ある分野が果たして自分に向いているのか、また活躍できるかどうかも分からない。この点についても自己分析と同様、客観的な分析とアドバイスが必要だから

ブラック企業に勤める人にとって何よりも大切な時間をムダにするわけにはいきません。ここはすべてを割り切って、効率をとりましょう。転職のサポートが得られるサービスは様々ありますが、転職エージェント(人材紹介会社)であれば基本的にすべてのサービスを無料で受けることができるうえ、あなたの経験やスキルを客観的に判断し、希望を踏まえた求人情報を紹介してくれます。Webサイト経由で登録し、エージェントからの連絡を待ってキャリアコンサルタントとの面談を設定しましょう。

あとは必要に応じて、求人情報サイトに登録してスカウトを待ったり、キャリアコーチングサービスなど組み合わせて利用したりするとよいでしょう。

2:複数の転職エージェント(人材紹介会社)や転職ナビサイト(求人情報サイト)に登録し、サービスを申し込む

転職サポートサービスを利用する際に重要なことは、必ず複数のサービスに平行して登録し、活用することです。

紹介される求人件数や業界の幅は、そのエージェントやサイトの規模や得意領域によっても変わります。「このエージェントとは取引がないけど、別のエージェントとは深いつながりがあり、求人も多数ある」といった会社もありますので、あなたの選択肢を増やすためにも複数登録は大前提といえます。

また転職エージェントでは、あなた専任のキャリアコンサルタント(キャリアアドバイザー)がついて面談をし、転職成功までサポートをしてくれるのですが、このコンサルタントの能力や、あなたとの相性も大切です。

転職サポート経験が豊富な人や、あなたの現職、もしくは希望業界に関する知見が豊富な人であれば安心して頼れるでしょうが、最初にどんな人が担当してくれるかは残念ながら選ぶことができません。あなたとの相性が合わない人を無理に頼るよりも、複数登録して合う人にサポートしてもらうのがよいですし、そのエージェントでしか取扱いのない求人があるのであれば、遠慮なく担当者を変更してもらうよう依頼しましょう。

3:キャリアコンサルタント(キャリアアドバイザー)と面談する

面談とはいえ、対面方式以外でも、Webや電話でも対応できるところがほとんどなので、近くにエージェントのオフィスがない所にお住まいの方でも大丈夫です。

この面談の場で、コンサルタントからの質問に回答する形で、あなたのこれまでの経験やスキル、転職における希望などをじっくり伝えましょう。

あなたが自分自身のスキルや能力を充分把握できていなくても、コンサルタントがあなたとのやり取りを通じて客観的に整理し、あなたが気付いていない強みや可能性を見つけてくれることもあります。

また、やりたいことが特に明確ではない場合でも、コンサルタントがあなたの志向性に合った職種を提案してくれます。

すなわち、エージェントとの無料の面談を通して、「キャリアの棚卸し」も「自己分析」も、「転職の方向性の明確化」まですべてをおこなうことができるわけです。コンサルタントは転職アドバイスのプロですから、ぜひ頼りにして転職活動の進め方を一緒に考えてもらいましょう。

ちなみに、これはあくまで「面談」であって「面接」ではありません。服装も自由ですし、気軽な気持ちでざっくばらんに話し合ってください。

4:転職エージェントのサービス(求人紹介、書類添削、面接アドバイス等)を受ける

面談での話し合いを基に、あなたの経験やスキル、希望条件に合致し、かつ入社後も活躍できると考えられる求人情報を紹介してもらえます。

紹介された求人の中で興味を持てるものがあれば、自分でもその会社のWebサイトを確認したり、同業界の他企業と比較したりするなどして理解を深めていくことをお勧めします。

意中の企業が見つかって応募する前には、提出する履歴書や職務経歴書など応募書類を添削してもらえたり、面接のアドバイス、場合によっては模擬面接などもおこなってもらえたりします。ぜひ活用しましょう。

5:企業に応募し、選考を受ける

紹介を受けた中で応募したい企業が決まったら、コンサルタントがその企業に推薦してくれ、書類選考がスタートします。

応募手続は自分でやる必要はなく、面接日程調整や内定時の条件交渉も、担当のコンサルタントがすべてあなたに代わって行ってくれます。

もし選考が思う通りに進まなくても、あなたが希望する限りはコンサルタントが継続的に求人情報を紹介し、サポートも続けてくれます。

紹介される求人案件の中にいいと思うものがなければ、もちろん応募する必要はありませんが、その際は何が希望と違うのか、細かくすり合わせをおこなうことでミスマッチを防げます。

また、選考NGだった際の理由をコンサルタントがヒアリングしてくれていればそれに真摯に耳を傾け、次回選考に向けて改善していきましょう。

逆に、紹介される求人についてあなた自身がピンとくるものがなかったとしても、コンサルタントは何かしら合うポイントを感じて紹介しているはずですので、気になるときは「正直ピンとこないが、なぜこの求人を紹介してくれたのか」と確認し、コンサルタントが強く勧める根拠がきちんとあるのであれば、勧めに従って受けてみることも有効です。

6:内定、退職交渉、転職先入社

あなたはエージェントのサポートもあり、無事内定しました。その際の条件交渉や入社日の調整、各種手続きの案内などもコンサルタントがフォローしてくれます。

また、仮に複数の内定を得たとして、入社を決めた1社以外を辞退するのはなかなか気が引けるものですが、そのあたりの連絡もコンサルタントが代わってやってくれます。

この記事を書いた人

新田 龍

働き方改革総合研究所株式会社代表取締役、ブラック企業アナリスト。
「ブラック企業就職偏差値ランキング」ワースト企業出身。働き方改革推進による労働環境およびレピュテーション改善支援と、悪意ある取引先相手のこじれたトラブル解決が専門。各種メディアで労働問題・ブラック企業問題を語り、優良企業は顕彰。トラブル解決&レピュテーション改善実績多数。著書21冊。

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