日々忙しく、転職活動の時間さえ充分に確保できないブラック企業勤務の人にとって、「求人情報収集」「自己分析サポート」「適性・適職診断」「転職活動スケジューリング」「求人マッチング」「書類作成サポート」「企業側への推薦とプッシュ」「条件交渉」などをすべて任せられ、効率的に活動できる転職エージェントを活用しない手はありません。
とはいえ、転職エージェントは日本国内に大小合わせて2万社以上あると言われており、ネット上での評価も玉石混交なため、何を信じて選んだらいいのか迷いますよね。
そこで今回は、「実際の利用者からの評価」に加えて、「エージェントに勤務する営業担当者やキャリアコンサルタントの生の声」、そして「エージェントを利用する求人企業側のセキララな本音」を基に、これからブラック企業を抜け出そうとする皆さんのために、目的別「本当にお勧めできるエージェント」をご紹介します。
【目的別】おすすめ転職エージェントとサポートサービス
1:【全員共通】おすすめの転職エージェント2選
・とにかく取扱求人数が圧倒的に多い(業界2位の会社の2倍)
・全国に拠点あり
・長年の歴史で蓄積されたデータとノウハウ
私自身はサラリーマン時代、その2番手の会社に在籍していたことがありますが、その頃から同社の力量は圧倒的で、自社では取引もできないような大企業の求人案件を持ち、紹介できる案件数も多く、正直敵わないと感じていました。求人数が多いということは、その分選択肢も増えるわけで、まずは必ず登録しておくべきエージェントでしょう。
社内的な観点では、マネジメントクラスに部下育成できる人材が厚く、サービスレベルも相応に高いものが期待できます。
・豊富で質の高い求人案件
・海外拠点もあり
・プロフェッショナル視点で吟味された情報提供
リクルートエージェントが「圧倒的に豊富な情報の中から、求職者自ら取捨選択する」スタイルであるのに対し、dodaは「数多い情報の中から、カウンセリングによって求職者の方向性に合致した求人を提案される」スタイルといえるでしょう。「転職はしたいけど、自分に何ができるか、どんな仕事が向いているか分からない」といった人にはピッタリのサービスといえます。
2:【若手・第二新卒向け】おすすめの転職エージェント2選
・20代、第二新卒、中小企業の求人に強み
・業界職種未経験者や、スキル的に厳しい人へのサポートが手厚い
・アドバイザーとの関係性も強力
若手で実務経験がまだ浅い人でも、手厚いフォロー体制で熱心にサポートしてくれます。取扱い求人は中小企業やベンチャー企業が多めですが、営業担当者と企業側との関係性が強固なのか、求人票で要求されている経験やスキルに多少足りないところがあっても、面接までは組んでもらえるように交渉してくれるなど、頼りになるエージェントだといえます。
・20代、転職初心者向けの求人とサービスに強み
・適性診断テストによる、能力や性格特性分析を基にしたカウンセリング
・転職成功後も「入社後支援プログラム」によるサポート提供あり
比較的後発のエージェントですが、求人サイトを運営する上場企業「enジャパン」が母体で、限定非公開の求人情報と、熱心で手厚いサポート体制が整っています。業界内でも、同社のアドバイザーは「一生懸命頑張れる、性格のいい人が揃っている」と評判です。実際、アドバイザーの担当領域は業種・職種別に細分化されており、より専門的な情報提供が期待できるほか、担当アドバイザーとは専用アプリを用いたチャット形式のスムースなコミュニケーションが可能で、初心者には心強い存在です。
3:【フリーター向け】おすすめの転職エージェント2選
・既卒者、中退者、フリーターなど若手未経験者の就職支援に特化
・未経験者の就職成功率は80%超、入社後定着率も90%超
・書類選考無しの面接会も随時開催
ビジネス経験が浅い若手の就職支援に特化したサービスがジェイックの「就職カレッジ」です。無料の就職講座を通して書類作成方法や面接対策などのレクチャーが提供されるほか、定期的に開催される「面接会」では、若手採用に熱心な企業20社と一度に面接が可能。手厚いフォローで就職成功をサポートしてくれます。ジェイックの皆さんとは私も一緒にお仕事をする機会がありましたが、皆さん真面目で熱心な方ばかりで好感を抱いています。
・第二新卒、既卒者、20代フリーターなど若手サポートに強み
・内定率は80%超、入社後定着率も95%超
・厳しい判定基準により、ブラック企業求人は除外
同社のキャリアカウンセラーは全員が元既卒・元第二新卒。当事者としての経験を基にアドバイスしてくれ、1人あたり平均20時間という手厚いサポートを受けることができます。実際、入社後もカウンセラーを頼って相談がなされることも多いようです。また求人別にカスタマイズされた面接対策を実施されるため、他エージェントで選考通過が難しかった人でも決定に至るケースもあり、頼りになります。
4:【ハイクラス向け】おすすめの転職エージェント2選
・30代から50代くらいまでの、スペシャリスト向けハイクラス転職に強い
・業界動向や求人情報に精通したアドバイザーが多い
・世界11ヵ国にネットワークがあり、外資系企業とのコネクションも豊富
同社はもともと、日本企業が海外進出する際に現地で採用支援をおこなう事業からスタートしており、管理部門や技術職など、専門スキルを持ったベテラン社員の転職支援が得意分野です。業界関係者からも、そのサービスクオリティの高さには定評があります。
大手エージェントのほとんどでは35歳未満の若手向け求人の割合が多いですが、こちらは転職決定者の7割が35歳以上。エグゼクティブ向けといえます。
・サイト登録情報を基にスカウトされるタイプの転職支援サービス
・年収800万円以上の経営幹部職など、エグゼクティブ向け高年収求人が中心
・自分に合った、優秀なヘッドハンターをパートナーにできる
キャリアアドバイザーと面談して求人を紹介される一般的な転職エージェントとは異なり、キャリアカーバーは匿名で職務経歴書や希望条件を登録することで、あなたの経歴と希望に合った求人を持つヘッドハンターからスカウトされるというスタイルのサービスです。他社では行われている書類添削や面接対策といった細かいサポートはない代わりに、キャリアと求人情報のプロフェッショナルであるヘッドハンターを味方につけ、他社には存在しないようなハイクラスの求人情報にアクセスできます。
5:【転職はしたいが、やりたいことや強みが見つからない人向け】おすすめサービス
・「キャリア版ライザップ」。プロのトレーナーがキャリア構築を支援する有料サービス
・「自分のやりたいことや強みが分からない」「何をすべきか分からない」といった漠然としたキャリアの不安に伴走するキャリアコーチング
・転職エージェントなど企業間契約を一切おこなっていないため、個人に寄り添ったアドバイスが可能
「個人ユーザーがお金を払ってキャリア相談する」サービスの元祖。プロのキャリア専門家が週1回の対話と随時チャットで相談に乗り、キャリアの棚卸や自己分析サポート、転職活動の支援をしてくれます。料金は高額ながら、お金を払うことによって「絶対に元をとろう」と本気になった結果、第一志望の企業に就職できたり、人生の目標が明確になったことで今の仕事でやりがいを感じられようになるなど、明らかな価値を実感できている人が多数います。初回カウンセリングは無料です。
転職エージェントを有効活用する方法
転職エージェントには複数登録する
転職サポートサービスを利用する際に重要なことは、必ず複数のサービスに平行して登録し、活用することです。
紹介される求人件数や業界の幅は、そのエージェントやサイトの規模や得意領域によっても変わります。「このエージェントとは取引がないけど、別のエージェントとは深いつながりがあり、求人も多数ある」といった会社もありますので、あなたの選択肢を増やすためにも複数登録は大前提といえます。
その場合は、各社の強みを比較し、「強みが違うエージェント」を併用することが有効です。
たとえば「求人数が豊富な大手エージェント」と「業界・職種に専門特化した中小エージェント」を同時に活用することで、大手エージェントからは幅広い選択肢を示してもらいつつ、専門エージェントからは業界動向にまつわる情報を得たり、手厚いサポートをしてもらったりするとよいでしょう。
また、複数エージェントに登録することで、様々な視点・観点から意見をもらうことができ、自分自身の判断の参考にすることもできます。
転職アドバイザーとの相性も大切に!
転職エージェントでは、あなた専任のキャリアコンサルタント(キャリアアドバイザー)がついて面談をし、転職成功までサポートをしてくれるのですが、このコンサルタントの能力や、あなたとの相性も大切です。
転職サポート経験が豊富な人や、あなたの現職、もしくは希望業界に関する知見が豊富な人であれば安心して頼れるでしょうが、最初にどんな人が担当してくれるかは残念ながら選ぶことができません。今回お勧めした転職エージェントも、アドバイザー全員が人格者で能力も兼ね備えた人とは限りません。また転職サポート実績豊富なアドバイザーであっても、あなたとどうしても合わない…ということもあるでしょう。
相性が合わないアドバイザーを無理に頼るよりも、まずは複数のエージェントに登録して、合う人にサポートしてもらうのがよいですし、そのエージェントでしか取扱いのない求人があるのであれば、遠慮なく担当者を変更してもらうよう依頼しましょう。遠慮する必要はありません。相手もビジネスですから、相性が合う組み合わせによって無事転職が成功したほうがお互いにとってハッピーなのです。
今すぐの転職でなくても、登録だけでもしておくのがお勧め
このアドバイスは、すぐにビジネスに繋げたい転職エージェント各社にとってはもしかしたら迷惑かもしれませんが、今すぐの転職でなくても、それどころか転職する気があまりなかったとしても、転職エージェントには登録しておくことをお勧めします。
会社の中にいるだけでは、自分自身のキャリアやスキルが本当に市場価値があるかどうかは分かりません。また、今の仕事や環境に不満がなかったとしても、万一会社が潰れたり、合併や買収などによって環境が大幅に変わるリスクは常にあります。いざという時に慌てなくてもよいように、自分の適正な市場価値や待遇、現時点の実務経験やキャリアで受かる可能性のある企業や職種について、客観的に認識しておく必要があるのです。
そのためにも、まずは転職エージェントに登録してカウンセリングを受けてみたり、サイトにレジュメを公開してスカウトを受けてみたりして、第三者から客観的なアドバイスを受けるとよいでしょう。できれば担当のエージェントやヘッドハンターとは定期的に面談し、お互いに情報をアップデートできればより望ましいです。転職エージェントやサポートサービスを上手く使いこなして、どこでも通用するキャリアを作っていきましょう。